目玉バイオベンチャー上場の発表があるという情報を掲示板で発見し、そこの株主である会社の株を大勝負のブッコミ買いを敢行。
実際上場発表がありストップ高発進となるがそこでまたもや追加入金で追撃買いをしてしまった。
しかしこれが俺の大復活の決め手となる。
前回のお話はこちらです
第36話 バイオベンチャー上場祭り
半ばヤケクソの全力ブッコミスイングでの最後の大勝負。 結果はいかに。 前回のお話はこちらです 新規上場企業の大株主会社を狙う 大勝負はただのヤケクソのみがきっかけではない。 とある株の個 ...
経験を活かした成長の確信
追撃買いをした後の1日半くすぶった後、その株は午後から上昇に転じストップ高になった。
そしてその翌日の5月最終日もストップ高。
この時点で俺の資産は2週間前のピーク時点に近づいていた。
ややこしくなるので今月の入出金を全て入れて計算すると次のような推移だ。
5月14日に1億円に到達した後、23日のどん底時3800万円まで減って、31日の今日が9700万円だ。
1週間と1日で約6000万円も増えてしまった。しかもほとんどの利益をたった1銘柄の力で・・・。
いや、1銘柄に賭けてそれが成功したからこそすんなり増やせたところは大きい。
ブッコミデイトレをしていたらまたどこかで大負けをしていただろう。
5月までの闘いとは全く違う展開で不思議な感じがする。
ここに来て俺は少し冷静さを取り戻す。
資金がピーク近くまで復活して余裕が出てきたのだ。
2週間前のようなミスはもうしない。
まずは1800万円の出金を行った。
前回3500万円の大量出金という大敗走に成功したはずだったが、その後1650万、1750万と2回に分けて合計3400万円も株口座に入金していた。
せめてもの気持ちで半分の1800万円を出金することができた。
前回は1億に行った時に葛藤が生まれてしまい出金を躊躇した。
そしてすぐに半分以上溶かしてしまった後の出金となった。
しかし今回は増えている途中で出金できたのだ。
これは大きな進歩だ。次のステージへ行ける予感しかしない。
さらに、1か月のホールドを決め込んでいたこの大勝負スイング銘柄も、嬉しい誤算の急上昇に浮かれることなくこの5月最終日に約半分の枚数を売ったのだ。
「このバイオベンチャー上場祭りはまだ続くはず。ピークとなるはずの上場当日までにはあと1か月ある。」
「1か月の間には上下の波を作るだろうがとにかく1か月持ち続ければ上場当日の6月末には資産がピークになる」
そう思い込んでいた。
実際、一旦勢いが止まった後も持ち続けて更なる大爆益を呼んだのはこの思い込みが勝因だっだ。
しかし上下の波をしっかり思い出し、欲に溺れることなくこの連続ストップ高で利益確定売りを敢行した。
残りの半分は1か月後まで決め込みスイングだ。
資産のカムバックと共に自らの成長を実感し、確信した。
2週間前の億達成は一日天下の儚い夢と消えたが、そこまでの億トレへの軌跡もその後の大負けも良い経験となり決して無駄にはならなかった。
そして翌日となる6月初日、その確信はさらに強固なものとなる。
MAX資産更新だ!!
2000万円の大勝利を収めたのだ。
9700万円からの2000万勝ちで1億1700万円だ。
1週間プラス2日で3800万円から3倍増を超える会心の一撃だ。
俺は再び億トレに返り咲いたのだ!
勝負銘柄は、朝は小幅上昇から始まるもののその後上グングン上がり今日もストップ高張り付き引けで終了した。
これにより俺の資産は一気に突き抜けた。本当にもうこの銘柄さまさまだ。
成長を確信といっても他のトレードはむしろ不調だ。
それでも大勝負銘柄のトレードだけは完璧で、俺が大成長を遂げたことについての異論は認めない。
その証拠にこの日もストップ高に到達する前から売り上がり、残っていた枚数の半分をまた利確したのだ。
リスク管理は盤石だ。
1か月後まで持ち続けるのが一番の利益になることを確信していたにも関わらず、予想以上の急上昇に対して4分の3の株数を売り上がることができた。
俺の思い込み順張り脳は散々上下の波に飲まれて大損害を繰り返してきた。
その経験をフルに活かし今回は自画自賛の巧みなトレードができている。
6月末に株価はクライマックスのピークに達するはず。しかしそれまでに下落の波はどこかで必ず来るはず。そこでまた買い直せば再び大爆益だ。
実際大勝負銘柄はそろそろ一旦上昇の波が終わるのではないかと感じていた。
昨日は朝から大幅上昇で始まっていたが今日は小幅上昇スタートで、板や株価の動き方を見ても上昇の力が少しずつ弱まってきたかなという印象を持った。
だからこそストップ高に行く前から売り始めたのだ。思い込みより臨機応変、これでいい。
しかし一方で少しの後悔や未練も生まれ始めていた。またもや葛藤である。
ここ2日で4分の3も売ってしまったが、自分の思い込みを信じて決め込んでいた通り全株持ち続けていれば更なる超スーパー爆益だったという事実があった。
勢いが弱まっているように見えて売ってしまったが、結局最後は強いストップ高張り付きで終えたのも事実だ。弱そうに見える動きはフェイクだった。
そしてもう1つ葛藤の要因があった。
上場予定のバイオベンチャーの大株主銘柄は5銘柄あり俺が乗れたのは2番手の当たりだったと書いたが、1番の大当たり銘柄がとんでもない上昇を演じたのを横目に見ていたのだ。
この1番の大当たり銘柄は1か月で約20倍となる歴史的上昇を達成していたのだ。
下落の波などなくほぼ一直線にだ。
俺は2番手の当たり銘柄を引き当ててはいたが、この1か月での上昇率で見ればまだ3倍程度だった。
まだまだ上昇余地は大きかったのではないか。まだまだリスクに怯えるのは早過ぎたのではないか。
1番手銘柄同様下落の波など来ないまま上がり続けてしまうのではないか。
うまくやれているという成長の実感からの満足感と、もっと勝てたはずだという悔しさ。
交錯するこの2つの感情から生まれる葛藤。
翌朝9時に見る光景が再び葛藤を破滅に結びつけることになる・・・