株で4回も億をつかんだものの、4回とも破産に追い込まれた男の記録です。

4回億
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小説本編 第31話~40話

第40話 必死にもがく苦戦の日々

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億り人挑戦の闘いの日々は終わった。

この後もトレードの日々は続いていくが、しばらくの低迷期を迎えることになる。

 

前回のお話はこちらです

第39話 祭りのあと

月が変わって2日目となった6月4日の火曜日、過去2番目の大負け記録となる3700万円の大敗を喫し、資産は約8000万円に。 前日に達成していた2度目の億り人は前回に続き1日もキープすることができなかっ ...

数々の新たな試み

新興市場がずっと下がり続けたわけではない。

むしろ6月末の暴落で底を打った後は7月前半に急回復をし、その後8月にまた下落するが6月の底値を切り上げ翌年1月に向けて上昇していくことになる。

 

それに反して俺のトレードは行き詰まった。

デイトレードは相変わらず毎度の反省の繰り返しで、スイングトレードは過去2度の億達成時の大爆益の経験から一撃大当たりを狙い続けてしまいそれがアダとなった。

思えば6月の一発大逆転はラッキーにすぎなかった。チャンスに大きく張って大きな利益を出せたのはトレーダーの行動としても上出来だったが、本来そんな大チャンスは滅多にない。

欲張った結果逆に大負けトレードを重ねてしまい、7月末には資産は1500万円になり、8月末には1000万円になってしまった。

5月末に出金した分は6月以降に再入金をしてしまい、8月末の1000万円は口座残高の額であると共に俺の総資産額とほぼ同じだった。

 

振り返ってみると、大きく勝てた時の要因はアベノミクスという全体上げの要素よりもテーマ上げのお祭りに頼ってきた要素が強かった。

1月の謎のバイオ関連祭り、3月の低位不動産銘柄祭り、4月のスマホゲーム関連祭り、そして6月のバイオベンチャー新規上場関連祭り。

それらのテーマ祭りに博打的に大きく資金を張り成功して資産を爆発的に増やしたタイミングが数回重なった。

 

しかし7月以降はわかりやすいテーマがなかった。もしくは俺が発見できなかっただけかもしれない。

いずれにしろテーマ乗りという武器を失ってしまった。

5月初めの頃に感じていたデイトレードの成長も、その後はスランプを通り越して退化しているようにすら感じた。

日々反省して対策を立てるが、どうしても同じミスを繰り返してしまう。

今まではそのミスを挽回できていた一発逆転の爆益ボーナスもない状況が続き、資産はジリジリ減っていく一方になった。

 

 

窮地に追い込まれていくが、もう1度気合いを入れ直し、今まで以上に多くの対策を練り、新たな試みも増やしていった。

 

新たな試みの1つはスカイプグループのメンバーをブログで募集したことだった。

株に情熱を持った仲間を改めて募集して、自分も含め全員が前日準備をして共有し合うルールを設定した。

5月後半にバイオ上場関連銘柄に夢中になり始めて以降前日準備をサボる癖がついてしまっていた自分を戒め再び奮い立たせる目的が大きかった。

 

2つ目の新たな試みがイナゴトレードだ。

Mジョーダンの後も完全にやめていたわけではなかったが、イナゴトレードをしっかりやろうと決め、積極的にイナゴトレードができるネタを探していった。

大型匿名掲示板をまた監視するようになり、記名掲示板の方では新たな人気の殿様イナゴを見つけた。

他にもザラバ中に銘柄推奨をしている人気ブログも見つけた。

投資顧問が配信している無料メルマガも3つほど登録した。

イナゴとは関係ないが、3万円もした急騰急落検知ツールを買ってみたりもした。

3つの投資顧問の無料情報のうちイナゴトレードが有効だった2つは有料契約もしてみたが、なぜか有料の方は有効ではなかったためすぐに打ち切って無料情報のイナゴだけ続けた。

 

とにかく動いた。もがいた。

株への情熱は失わずに、思い浮かんだできることは全てやった。

 

・再開した長時間の前日準備と新興市場上昇が噛み合ったこと

・機能するイナゴトレードを見つけデイトレードの収支が安定したこと

この2つにより9月は久々に大きく勝つことができた。

資産は3600万円を超え、7月8月の2か月の損を全て取り返せた形になった。

夜の努力は翌日のチャンスを増やし、チャンス増はトレードの自信に繋がる、その自信がメンタルの余裕を生み、他のトレードにも好影響を与える。

努力の量は実を結ぶのだ。

しかしこの後も苦戦の日々は続く・・・

 

 

一方、この時期から仕事を辞めて専業になることを決意し直した。

彼女と別れたことにより急いで仕事を辞める理由を失い、その後も相変わらずの生活を送っていた。

平日は夕方に事務所に顔を出し、土日は申し訳程度に営業を頑張り、契約数に対して割高な基本給をもらう。

とてもありがたい生活ではあったが、株の前日準備をしたいのに事務所で先輩に捕まり夕食を付き合うことになったり、トレード中に客先から電話が鳴ることも多く、株に支障がないわけではなかった。

そしてこの生活自体に未来はなかった。俺以外の営業の人も契約がほとんど取れていない状況が続き、俺の所属する営業請負会社がケーブルテレビ事業から撤退してこの事務所が終了するのは時間の問題に思えた。

実際上司ともそのような話はしていたし、なんとその上司の方が先に退職を決め転職先を見つけていた。

 

しかし新しい上司が着任して「厳しい状況だけどしばらくは頑張ってほしい」という話だったのでしばらくは居座ることになった。

それでも退職は時間の問題で、再びの専業トレーダーへのカウントダウンは始まっていた。

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新生ジャパン

兄側のノンフィクション小説も連載中です
株で億り人になった弟を持つ男
兄がデイトレで勝てない人のために手法やメンタルについて書いています。
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