1、大きな資金を入れたままにしておけばリバウンド相場に乗ってもっと大きな額が勝てていた事実。
2、それほどリスクを背負わなくても1週間で1000万円くらいは稼げるだろうという錯覚の過信。
「出金したことによるブッコミと流動性の問題の克服」という最重要確信がこの2つの邪念に負けてしまう。
封印したばかりのパンドラの箱をすぐさま開けてしまうことになるのだ。
前回のお話はこちらです
第34話 栄光の大敗走
1億円達成から1日で4500万円負け。2年付き合った彼女との突然の別れ。 人生のダブルパンチを食らいもはや抜け殻状態。 株式相場はそんな弱った人間にさらなる追い打ちをかけてくる。 恐ろしすぎる相手を前 ...
禁断の大量追加入金
2日半あれば小さな資金からでも、つまり大きくリスクを取らずとも800万円勝ててしまう。
本気になればいつでもピンチから復活することができる。
それならば4500万円も銀行口座に置いておくのは慎重すぎるのではないか。
実際そのお金を株に入れていればこの2日半の新興市場リバウンド相場で数千万円のお金を生んでいたのは紛れもない事実だろう。
俺は思考する人間だった。一旦思考が始まれば止まらない。
俺は行動する人間だった。良い案が浮かび、思考を重ねてその案を否定できなければ飛び出すように行動してしまう。
そして問題は、俺はポジティブすぎる人間だった。昔のことを思考すればとどまることができたはずなのに、ネガティブな慎重思考は全く伸びなかった。
俺は禁断の大量入金を強行してしまうことになる。
今回のこの行動は今後の俺の資金管理の秩序を大きく乱してしまうターニングポイントだったように思う。
それはさておき今回に限っても秩序は乱れ崩壊を引き起こす。
5月22日のことだ。
俺は手始めに軽い気持ちで1000万円を入金してしまった。
先週3500万円を出金したばかりだ。その後800万円を勝つこともできた。
昨日は100万円ほど負けてしまったが1000万円を入金したところで仮に失敗しても許容範囲だ。
余裕資金の範囲内。なくなっても大丈夫な範囲のお金だ。
しかしその中途半端な油断を相場ってやつは決して見逃さない。
どんどん負けが積み重なり、入金したその日に860万円の損失を出してしまった。
さらには、入金した分が見る見る溶けていく歯がゆさに耐えきれず、熱くなり途中でさらに650万円も追加入金してしまった。
そして翌日1000万円以上の損失を出した。
この2日間の間に1650万円を入金して1900万円近くの損失を出した。
一体俺は何をやっているのだ・・・。
マザーズ指数はこの3日でそれまでのリバウンドを全て帳消しにする下げを見せた。
少ない資金でリバウンドの上昇の波に乗り、追加入金した大きな資金でその後の下落の波に飲まれる。
完全に裏目だ。
人生のダブルパンチを食らい精神的に追い詰められてしまったあの日、
「出金してブッコミさえやらなければ問題ない、この後も成功していける」
と自分に言い聞かせることでポジティブになることができ、実際にそれを実行し成功したことでトレードも精神も復活した。
プライベートのショックな出来事も株トレードの再充実が振り払ってくれたように感じていた。
悪いことが重なり追い詰められていたところから這い上がることができたんだ。
しかしそれを自ら壊してしまい、資産的な意味でどん底を更に下にぶち破ってしまったのだ。
これが自分のメンタルに及ぼした影響は大きかった。
大量入金という絶対にやってはいけない行動をやらかしてしまったのに焦りも反省も湧いてこない。
反省がないのだから対策案も湧かない。
ただただ取り返しのつかないことをしてしまった。それを補填する策などない。
自分の軽率すぎる行動に嫌気が差し、逃げ出したい気分だ。
株に対する情熱、やる気、モチベーションまでもがもはや消えてしまった。
不屈のメンタルでここまでやってきたが、一旦3500万円を出金できた時の安堵感、刺激や緊張感からの解放をきっかけに、背負い続けたプレッシャーの糸が切れてしまったかのようだ。
3年前の専業実現燃え尽きに続き、億トレ実現燃え尽き感が漂い始めている。
もしかしたらあのモチベーションは1億円に向かう激しい資産ボラティリティにより保たれていたのかもしれない。
あの日々が麻薬のように俺を奮い立たせて今はそれが完全に切れてしまったというのか。
とはいえこれはゲームなんかではない。
生きている限り今後も一生関わっていく「お金」が動くものだ。
1日たりとも無駄な日を過ごしている場合ではない。
1円たりとも無抵抗になんとなく失っていいお金などないんだ。
「なくなっても大丈夫な範囲のお金」なんて考えてはいけなかった。俺は間違っていた。
確かに数千万円という激しい金額が毎日のように動いていて何度も大負けもしたが、毎日必死に考え必死に行動しベストな行動をとった結果だったはずなんだ。
この厳しい相場の世界、中途半端な情熱ややる気で挑んでも絶対に勝てるわけがない。
冷静になりそう考えるにつれて再びポジティブな思考が芽生えてきた。
そしてその前向きな姿勢が復活したのにはもう1つだけ理由があった。
それは、とある株掲示板の情報がきっかけだった。
この半月の間追い続けてきた株材料についての、本当か嘘かもわからない情報だった。
久々にブッコミスイング大勝負への熱い思いが煮えたぎっていた。
ブログではこう宣言した。
「明日ラストぶっこみいきます!」