付き合う前もその後も彼女に対して自信満々に株について語ってきた。
しかし年末にかけて大きく調子を崩したことを正直に話したことがきっかけで、ある約束が生まれていた。
前回のお話はこちらです
第45話 スランプの日々
2014年8月9月と順調に行きかけていたトレードだったが、10月以降は再び調子を崩していく。 前回のお話はこちらです 同じミスの繰り返しでブログもストップ 10月、いきなり初日に156万 ...
専業トレーダー継続を賭けた約束
「2015年以降毎年、1000万以上出金できなければ専業引退」
という約束を彼女としていた。
もともと2015年は勝負の年と位置付けていた。
2006年に株を始めたが、2012年にマルチモニターにして、2013年に信用無限回転が始まり、やっと自信を持ったトレードのスタート地点に立つことができた。
つまり2015年は実質3年目の勝負の年だった。
最近は「幸運で勝った」とか「不運で負けた」とかはもうほぼ皆無だ。
わかっている「勝てる内容のトレード」をした日は勝ち、わかっている「負ける内容のトレード」をした日は負ける。
「持越しで大きく食らった日」「ロットを大きくしてしまった日」は負ける内容のトレードをしてしまう。
それを防ぐのは簡単で「持越しをしない」「口座に決まった額しか入れておかない(出金する)」。
やるべきことがわかっていてその通りに行動すれば達成できる目標、ということならば決して厳しい条件ではない。
今まで、株トレード自体が楽しくてずっと続けていきたいという気持ちが強かったけど、ずっとやってきて「全然稼げなくても楽しいからやり続けたい」というレベルまで楽しいという時期はもう終わった。
「どうやれば勝ててどうやれば負ける」というのがあまりに毎回同じすぎてわかりきってしまった。言い換えれば自分の限界を知りその限界を突破できずにいる。
株で生活していくというのはきっと楽しいことではないのかもしれない。
わかりきった何の面白みもないことをひたすら繰り返す、つまり限界突破に挑戦などせずに身の丈に合ったトレードを淡々と続けていくということなのかもしれない。
世の中にはもっと楽しくて人生充実する仕事はたくさんあるはず。
仮に未達となり再再就職となっても専業トレーダーに未練は絶対に持たない。
そんな覚悟と心構えを持って決めた条件でスタートした、背水の陣の勝負の2015年だった。
ところが1月2月に約50万円ずつ勝った後、3月は約100万円負けてしまい、年の序盤にして早くも危険なペースになってしまった。
しかしここから反撃が始まる!
4月、5月、6月で、105万、97万、114万と勝つことができ月100万円以上のペースに乗ると、7月にビッグウェーブを掴む。
とあるゲーム株に乗ることができた。その会社が出しているスマホゲームのセールスランキングが上昇してきているというとてもわかりやすく簡単な材料で盛り上がりを見せていた。
その銘柄を7月9日にぶっこみ買いして、上げ下げするところをうまく利確したり買い直したりを繰り返し、この銘柄にほぼ集中し続けることで大きく勝つことができた。
8月の初日には2015年トータル利益が900万円に達していた。
しかしここでまたしてもダメな俺が勝ってしまう。
このゲーム会社銘柄が7月最終日に高値を更新して、8月初日に例のスマホゲームのセールスランキングが最高順位を更新したところで、株価が更に青天井に伸びていくことを確信してしまった。
7月後半は一旦利確したり株数を減らしたりと慎重な姿勢を保ち続けていたのに、ここで思い込んでしまったことで特大ロット且つ長期間ホールドを始めてしまった。
翌日から株価は下落に転じるも、ただの押し目ですぐに高値を超えていくと思い込んでいて動けず。
結局その銘柄の株価は下がり続け、8月初日の4685円から1000円以上も下落した3600円の株価で8月10日に損切りした。
特大ロットをぶちこんでしまっていたためにこれだけでピークから400万円も減らしてしまうことになった。
このような大きなミスをしてしまった後に立ち直るのが遅いのが俺の仕様だ。
900万円勝ちのピークを見てしまった後だけに早くそのピークにまで戻そうと焦ったトレードが続き、当然のように負け続けた。
9月は50万円負け、10月は70万円負けという結果になった。
一番の大問題はここまでの出金額だ。
年1000万円出金できなければ専業引退の約束なのにも関わらず、10月までで100万円しか出金してないのだ・・・。
株口座残高も約150万円。
8月9月のピーク時に出金をサボってしまったことが致命的ミスとなってしまった。
あの時調子に乗らなければ・・・油断しなければ・・・。
いつも同じだ。
俺が大きく負けてしまうきっかけは必ず1つの特大ロット大負けトレード。
その原因は好調時に資金増加と共にロットをどこまでも引き上げてしまうこと、つまり常に信用余力全開で張ってしまうこと。
俺がそれを抑制するにはもはや出金していくしかない。
しかもそれを後押しするかのように引退を賭けた出金の約束もあった。
それでも出金をサボってしまったのだ。
もう救いようがない。
翌月2015年11月、ついに完全なトドメを刺されることになる。
どんな時もポジティブに株を続けてきた俺がついに心が折れ、初めてネガティブになってしまうのだ。
株人生最大のピンチは訪れた。