再び訪れた新興市場祭りにうまく乗りまさに波に乗っている俺だったが、相場から離れていた1人のトレーダーを呼び戻すことに成功していた。
兄である。
前回のお話はこちらです
第29話 新興市場祭り再び
短期間で同じミスを繰り返し大負けが続いたデイトレード。 変化を起こし成長に向かったタイミングで相場も呼応する。 アベノミクス相場のお祭りは爆発的に盛り上がってゆくのだ。 前回のお話はこち ...
新しい株仲間 それは兄と兄嫁
兄はある意味俺を株の世界へ導いてくれた存在でもある。
スロットを兄から教わらなければ俺の人生は株に行き当たることはなかったかもしれないからだ。
そんな兄もまた、逆に俺の薦めにより株を始めることになったトレーダーだった。
俺が大学を卒業してサラリーマンになり兼業で株を始めてから間もなくして兄は専業トレーダーになっていた。
とてもうらやましかったが、最初は苦戦しているようだった。
俺も4年前に専業になりたった半年で退場となったが、兄も専業トレーダーのプレッシャーには苦しめられていたらしい。
その後コツコツ安定して勝てるデイトレーダーとなったが、結婚のために塾の経営と先生という仕事を始め、両立をしていく上での苦戦もあり今はトレードから離れていた。
しかし俺とは頻繁に連絡を取り、株の話はたびたび伝えていた。
苦難の多い人生を送っている俺のことをいつも気にかけてくれていたのだ。
そんな元株トレーダーでもある優しい兄にこの大チャンスを逃させてはいけない。
アベノミクスお祭り相場が始まった初動である1月から俺は必死に兄を株の世界にまた戻ってくるよう説得していた。
一番の理由はやはり信用無限回転だ。
全体相場が今後どうなっていくかは確実なことは言えないが、信用無限回転だけは今後永遠に続く大きなチャンスだ。
デイトレーダーなら誰もが喜んだルール改正だ、兄が喜ばないわけはない。
しかし塾経営も軌道に乗り忙しいらしく、結婚もしたばかりで今の生活に満足しているようだ。
ちなみに短期トレードではないが母も株をやっていた。
株仲間から教わった良さそうな銘柄や自分で確信が持てた銘柄などは母に教えてあげたりしていた。
その中でも特に確信を持てた銘柄が出てきた時に兄にも伝えてみたことがあった。
すると兄はその銘柄に乗ってくれて、たまたまだがその銘柄が大ヒットして50万円の利益が出たらしい。
4月の後半の成長から再び波に乗ってきたタイミングでもう1度兄に声をかけてみた。
すると今度は反応が変わっていた。
兄「なんでそんなに勝ってるんだ?」
俺「前から話してる通りアベノミクスと信用無限回転だよ、また新興銘柄祭りが来てるよ」
兄「前にデイトレ教えてたあまりうまくないトレーダーの人も今は勝ってるらしいんだよね。」
俺「うん、確かに誰でも勝てるかもね」
兄「中学3年生が卒業して生徒減っちゃったしやってみるか・・・。この前も簡単に50万円勝てちゃったし」
めでたく兄は株式相場へ復活する運びとなったのだ。
しかも兄の奥さんも会社を退職したばかりで、一緒にやるという。
奥さんとも兄が結婚する前から仲良く話をさせてもらう仲で、株は未経験の初心者だがやる気は満々。
スカイプチャットを使い3人で会話をしながらトレードをするという楽しい流れになったのだ。
以前からの株仲間とは相変わらず話をしていたが、俺にとっての新たな株仲間が誕生した。
話は全く変わるが、株以外でお金が動くことになった。
お金の使い道がなく銀行口座に1000万円以上を入れていたがふとした弾みで220万を追加入金してしまったこともあり、銀行口座に置いておくと気づいたら全部株口座に入金してしまうのではないかということが時々過った。
そんな時にタイミングよく久々に連絡してきた友人がいた。
草野球チームで一緒だった同い年の友人で、保険の営業をやってるという。
当時、年金が世間で問題になっていた。そのことを話すと個人年金保険を紹介してくれた。
根掘り葉掘り詳しく話を聞いたがその個人年金に加入することに決めた。
ドル建てで積み立て、将来的に2.3倍になって年金として返ってくるという商品だ。
銀行口座のお金を株に使ってしまわないようにという趣旨が大きかったので1000万円分を一気に入れたかった。
しかしそれは不可能なようで一定期間は積み立て続ける必要があった。
毎年約100万円分を積み立てていくという友人がオススメしてくれたプランに従った。
順調にプラン通りに積み立てれば2.3倍になってお金が返ってくる。1000万円前後のお金を積み立てて2300万円前後の老後のお金を確保できれば充分だと思った。
だが老後に年金として受け取る前提のため、万が一人生道半ばでお金に困り途中解約することになれば大きな損になる。
老後の生活のためにも、そして損をしないためにも株で無茶をして失敗しないようにしなければならない。
そう思わせてくれたことが一番大きかった。
俺のお金の使い道なんて依然としてそれくらいだった。
何よりも株に夢中だったのだ。
今の熱狂の相場、株より楽しくて熱中できるものなんて他にあるはずもない。
そんな興奮の中いよいよアベノミクス相場・新興市場バブルのクライマックスが訪れる。
5月相場の始まりだ。