株で4回も億をつかんだものの、4回とも破産に追い込まれた男の記録です。

4回億
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小説本編 第81話~90話

第85話 資産減少率99.5%

投稿日:

残高800万円から1日で56%負けの大敗を記録し350万円になってしまった。

しかし本当の地獄はここから始まるのだった。

 

前回のお話はこちらです

第84話 デイトレで見た地獄

2016年12月2日。 前日の大負けで株口座残高はついに1000万の節目を割り800万円となっていた。 この日、俺は歴史的大敗を記録し絶望に打ちひしがれる。   前回のお話はこちらです ジャ ...

絶望に次ぐ絶望

今回の大負けも俺のメンタルに相当な大ダメージを与えた。

ダメージの大きさは毎回のように過去最大を更新していっているように感じる。

トレードにおける経験や自信は積み重なっているのにそれを全て吹っ飛ばされて振り出しにも戻されるのだから当然かもしれない。

それに加えて、2か月間比較的安定していた後の突然の大惨事、しかも過去最大の「1日での損失率」を叩き出してしまった。

さらに今回は今までの大負けのような「大暴落地合いに巻き込まれての大損」でもない。

ただただ突然熱くなって暴走してしまったことだけが敗因だ。

 

「2か月間の安定」というのは良く言えばの表現だ。

悪く言えば2か月間もの間勝っていけずにくすぶり続けていた。

その挙句にこんな負け方をしてしまったら専業トレーダーとして絶望以外の感情がない。

致命的一撃だ。

 

 

 

俺がここまで、普通なら押し潰されてしまいそうな負けを何十回と繰り返しても株トレードを続けてこられたのは尋常じゃないメンタルだと思う。

より具体的に言えば人並み外れたポジティブシンキング。

今回もそれはあっさりと発動した。

夜全く眠れずに一晩中悩むと、すぐに前向きな答えが出てしまった。

 

このポジティブシンキングは、俺の株トレーダーとしての資質にマイナスに働く面が大きくなりつつあるように思えた。

記録的な大負けやそれによる絶望感への耐性、慣れ。

どうしようもない負け癖を俺の体と脳が受け入れてしまっている感じだ。

 

以前は大負けした後は必死に考えた。

原因と対策を徹底的に考えたり、画期的な打開策を武器として用意してみたり。

背水の陣で翌日に臨んだ。

 

しかし今回は現実逃避にも近いポジティブになってしまった。

ここから挽回していける具体策や自信は全くない。

それなのに「まだ350万円残っている」という事実だけを拠り所にして強引に前を向いてしまった。

 

そうでもしない限り立ち直れないほどの過去最大の絶望的状況だったということかもしれないが、それは最悪の結果を生んだ。

転げ落ち始めたらこれ以上転がりようもないドン底まで止まらないのが俺の悲しい性質だったが、漏れなく今回もそうなってしまうのだ。

 

2016年の最終週の火曜日、12月27日、俺の株口座残高はついに37万円となった。

「1日での過去最大損失率」を更新してしまったあの絶望の1日。

そこから1か月も経たない間で350万円から37万円となる資産逆テンバーガーを達成したのだ。

今年2度目の資産逆テンバーガー・・

今年のピークから今日までの資産減少率は99.5%を超える。

こんな株トレーダーが他にいるだろうか。

少なくともトレード歴10年以上でこれをやらかす人はほとんどいないだろう・・

 

1年前のクリスマスは幸せだった。

1年前のお正月は幸せだった。

その1年後の今、俺は人生最大の崖っぷちにいる。。

 

 

 

しかし俺はまた前を向いている。

まだ立ち上がったままファイティングポーズをとっている。

去年のような、再び立ち向かうきっかけがあったわけでもない。

唯一スイッチを入れ直すきっかけがあったとすれば「今回もしっかりドン底まで転げ落ちきったこと」だろうか・・・情けない話である。

 

今は1か月前のような「まだ○万円残っている」などと強引にポジティブになれる資金は残っていない。

今こそ以前のような具体的打開策を見つけなければポジティブになれる要素など1つも見つからない。

どう考えてもスイッチが入るのが遅すぎるが、俺は1年前のように再び必死にもがき初めていた。

 

12月の終盤から、転げ落ち続けながらもようやく正しい努力を再び積み直し始めていた。

トレード履歴・反省ノートを再び毎日書き始めた。

たまたましっくりくるトレード手法の電子書籍を見つけ、それを毎日繰り返し読み続けた。

 

結局最終週まで負け続ける形になってしまったが、それなりの手応えを掴みつつあった。

瞬間利益1億まで到達しながら2016年は出金ノルマ未達で終わった。

本来なら退場のはずだが、諸々の理由から協議の結果「泣きの1年」を敢行することが決定した。。

 

泣きの1年が決定した流れについては、今回は俺の意志と志願によるところが大きかった。

せっかく今年1年間新しく集めたり強化してきた武器をこのまま活かせずに終わらせたくない、絶対に活かせるはずだ。

武器とはツイッターなどの情報環境、オフ会で知り合った株仲間の人脈、増強され続けるモニター環境などのことだ。

そして最後は手応えも掴んだ。。

 

 

 

年が明けると俺は4か月ぶりにブログを更新した。

ブログは5月に復活した後、5月と6月は毎日書き続け、7月は1度だけ6月の大負け報告記事を書き、8月は銘柄Aの決着を報告する記事だけ書いた。

その後は更新する気力すら湧かなかった。

 

大発会前日の2017年1月3日、自らに言い聞かせる意味も込めて2017年相場に向けての自信と手応えの内容をブログに書き綴ったのだ・・・

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新生ジャパン
プレナス投資顧問

兄側のノンフィクション小説も連載中です
株で億り人になった弟を持つ男
兄がデイトレで勝てない人のために手法やメンタルについて書いています。
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