2013年2月。
前月に今までの自分ではありえない金額を稼ぎ出し有頂天だった俺にまたしても大きな試練が訪れる。
前回のお話はこちらです
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第23話 2か月で7年を覆す
アベノミクスと信用無限回転。 この2つが揃ったところで俺の大躍進ストーリーがスタートだ! 前回のお話はこちらです 負け組トレーダー完全返上 話は少しだけ遡る。 2012年11月に通算負け ...
出金しておいたことによる生き残り
2か月にして過去の株の負けを全て取り戻しさらに約600万円のプラス状態。
ここから一気にいける予感もあったが、あまりにも急激に資産が増えたため、とりあえず一旦1500万円を出金した。
考えてみれば初めての出金かもしれない。
相変わらず使い道は思いつかないがとりあえず今までの株の負け額分を出金することで株の生涯成績のプラスが保たれる。
今までの猪突猛進から考えれば慎重な行動だが、それほど辛い株人生を長らく歩んできたということだ。
それに100万円未満の資金から2か月で2100万円に増やせるのだから600万円の資金で充分だ。
去年までは600万円の資金運用したことなどなかったんだ。
株口座に入れる以外使い道がほとんどない人生を歩んできたが、さすがにここまで来ると後悔をしたこともあった。
奇跡的に高収入の仕事に再就職することができたがもう今後の給料は高い金額は望めない。
年齢も重ね今年は30歳になる。今後また高収入の仕事に就ける奇跡が起こる確率は低いだろう。
何より2か月前に感じた将来への不安と焦りは記憶に新しい。
とりあえず実家の家族に10万円ずつ配り、約200万円の車を買うことに決めた。
車は群馬時代に親から安く譲ってもらった車があったが、プライベートでかなりの距離を乗り回したことと今の営業も自前の車でやっていて壊れかけていたから困っているところだった。
それ以外の使い道は全くなかったがとりあえず貯金として残すことで安心感は得られた。
株に振り回される人生はもう疲れた。
負け続けても夢中で続けてきたのに、やっと勝ち始めたら慎重な気持ちになっている。
やはり今まで引くに引けない闘いに突き動かされていた面は大きかった。
しかし株は絶好調そのものだ。
生活やお金の安定も確保して、ここから波に乗っていく態勢は盤石だ。
さあ2月も頑張るぞ!
1月は200万円から2100万円に増やせたんだ。
2月は600万円から一体いくらまで増やせてしまうのか。
一気に3000万4000万と増やすことすら可能だろう。
俺はついに勝ち組トレーダーの仲間入りをした。
そしてアベノミクス相場に突入したのだから怖い物なんかない。
自信満々で臨んだ2月、序盤からいきなり苦戦を強いられることになる。
1月に一番のお祭りを演じていたバイオベンチャーの銘柄達の勢いはなくなっていた。
それに応じるように新興銘柄の指標であるマザーズ指数も下げる日が多かった。
1月の爆益で忘れていた株価の上下の波という存在がまた立ちはだかったのだ。
1月に狂ったように上昇した新興銘柄の株価は、その勢いを止めるとやはり下落に向かい始めたのだ。
1~2か月もの間続いた上昇トレンドの波は終わり、下落トレンドに入っているようだった。
この波は少し長めの時間軸の話なので、当然デイトレードベースで一発で大きく負けたという意味ではない。
しかし、毎日のようにアゲアゲの空気が漂っていた1月とは全く異なる展開で、順張りで勝ちまくれるデイトレード環境は終わっていた。
俺の天下は短かった。
正確にいうと2月は640万円の資金残高状態からスタートし、2日間で700万円以上まで増えたがその後6連敗で500万円近く溶かしてしまった。
余裕のあった貯金から合計120万円の追加入金もして応戦したが6日間ひたすら負け続けた。
専業になった3年前を超える悪夢だ・・・。
順張りと相性バッチリのアベノミクス相場はこんなにも早く終わってしまったというのか。
2か月の短い間でもお祭りにガッツリ乗れてよかった。
そして1500万円の出金をしておいて本当に良かった。
この大負けペースからして、もし出金していなかったら一体いくら負けていたのだろうか・・・。
350万円の残高は残っているが、追加入金もしてしまい、通算損益ももはやまたマイナスに転じる寸前だ。
しかしこんなところで株を諦めるわけにはいかない。
今までなんのためにやり続けてきたんだ。
この後も果敢に闘う。
1日に100万勝ったと思えば2日で130万負ける、その後3日で240万勝ったと思えば翌日216万負け。
350万円の資金とは思えないほどの派手な殴り合いだ。
2月の後半からは下落の波が落ち着き、また上昇の波に転換し始めているように感じた。
やはりアベノミクス相場はそんな簡単には終わらない!
大きな上昇トレンドが発生したばかりで、2月前半の下落は小さな波に過ぎなかったのだ。いわゆる上昇トレンドの押し目だ。
もしこの下落の波が大きいものだったら2月後半もひたすら負け続け3年前と同じ運命を辿っていた可能性すらあっただろう。
結局相場全体の動きに振り回されているだけの俺だが、それでもアベノミクスはまだ俺を見捨てなかった。
最後は2日で約270万を勝つことができ、結局2月トータルは150万円のマイナスで終えることになった。残高は約600万だ。
マイナスではあるものの序盤に6連敗で500万を失ったことを考えれば御の字だった。上出来だ。
そしてアベノミクス相場の勢いはまた復活しつつある、最後の大勝ち2連勝の勢いそのままに3月こそはまた爆益の予感しかしない!
その予感は月初からいきなり現実のものとなる。