短期間で同じミスを繰り返し大負けが続いたデイトレード。
変化を起こし成長に向かったタイミングで相場も呼応する。
アベノミクス相場のお祭りは爆発的に盛り上がってゆくのだ。
前回のお話はこちらです
第28話 止まらないジェットコースター
過去最大の負け額を記録してしまった4月1日。 1671万円の残高で始まり1日にして1000万円を割ってしまった。 そして賭けに出たストップ高銘柄の大ブッコミ。 波乱の4月相場はまだ始まったばかりだ。 ...
成長
1000万円以上の口座残高でのデイトレードで苦戦し続けた日々。
その原因はブッコミ順張りトレードと新興銘柄の流動性の低さに他ならなかった。
ブッコミ順張りトレードの癖はもともと俺の弱点だった。
しかしアベノミクス相場においては最大の武器になっていた。
順張りトレードのメリットは利益確定売りまでのスピードであり、短時間で勝って次々と利益を上げていけることにある。
上がる銘柄が無数に見つかるアベノミクス相場では最も効率的に利益を重ねることができた。
勢いが止まればやはり下落の波が待っているからモタモタしてはいられないが、今の盛り上がっている相場では難易度が低く相性抜群だった。
一方、流動性に対して多すぎる株数を持つ行為はスピード感を要するトレードとは相性最悪だ。ロスが多すぎるからだ。
売買で生じるロスを考慮すればある程度長めの時間軸で株を持ち大きめの値幅を狙う前提でなければ割りに合わないのだ。
資金が多くなったことに加えスイングでの一撃大爆益の奇跡が数回起きたことにより、1銘柄ごとに買う金額は1月よりも遥かに大きくなっていた。
アベノミクス相場で効果を発揮していた「ブッコミ順張りデイトレード」は超えられない壁にぶち当たっていたのだ。
それを確信した俺は、
勢い任せの順張りをできるだけ避けて押し目買いを狙う
成果を上げ続けているスイングトレードに使う資金比率を高める
という2つの対策を立てた。いずれもトレードの時間軸を長めにするための作戦だ。
半分スイング作戦はつい半月前の4月初めに大失敗した作戦だ。
その時は新興市場大暴落でたった1日にして打ち砕かれた。
しかし今回は真逆のことが起きたのだ!
真逆と言っても決して1日で大暴騰が起こったわけではない。
マザーズ指数は4月の中旬から終わりにかけてほぼ毎日上がり続けるという大型連騰が始まったのだ。
1日の大暴騰よりも遥かに大きい恩恵を受けることになった。
4月後半の新興市場の主役はスマホゲーム会社の株だった。
まだ当時はスマホゲームは世間的にそこまで知られていなかったが、ドラゴンが登場するパズルゲームが少しずつヒットし始めてきたころだ。
そのゲームの大ヒットの兆候の話題がきっかけとなり、株式市場では一気にスマホゲーム会社の銘柄が注目を浴び始めることになったのだ。
そのパズルゲームの会社の株は4月後半の半月で2.5倍まで上がり、それにつられるように他のスマホゲーム会社の株も次々と急騰した。
その盛り上がりに乗じるようにバイオ銘柄など他の新興銘柄も次々と暴騰していったのだ。
アベノミクスなのかスマホゲーミクスなのかはわからないがとにかく新興市場には1月以来の大祭りが訪れた。
俺自身はそのパズルゲームの会社の株には乗り遅れてしまった。
だが連れ高やテーマ株が得意になっていたので他のスマホゲーム銘柄のブッコミスイングで大きな利益を上げることができた。
その後もお祭りの新興銘柄でスイングもデイトレも爆益の積み重ね!
4月30日の締めくくりは最後のトドメ。
上場したばかりのIPO銘柄に乗り、初の大台超えとなる1038万勝ち!
4月15日時点では月間収支マイナスだったにも関わらず終わってみれば2783万勝ちで口座残高は4454万円に達した。
1000万円割れもあった今月のどん底からは4倍増だ。
自分の成長を実感できていることが何よりも嬉しい。
1月は信用無限回転で俺の時代が来たと勘違いした。順張りトレーダーの俺の時代が来たとも思った。
しかし2月以降は4月の前半まで大勝ちと大負けの連続で紙一重の綱渡り状態だった。
そこから俺は急成長したんだ。
確かに新興市場はまたお祭りが来ている。
でも1月も大負けした日はあったし、その後も相場全体が良い日でも大負けのヘタを打つことは多々あった。
それが4月後半は大負けした日が一度もないのだ。
さすがに今日くらい自分の成長の実感に酔いしれてもいいだろう。
資産額からしても増加ペースや成長の実感からしても1億という数字が見えてきた。
7年間雲の上の存在で縁もなかった億トレという存在に、自分がなれるかもしれない・・・。
そして寂しい思いをさせているであろう彼女にも堂々と報告しよう。
順調ということと相変わらず株に集中しなければいけない状況ということだけは伝えてあるが、こんなペースで増えていることは敢えて伝えていない。
1億円に達したらサプライズ報告で驚かせてあげるんだ。
1億円になったらとりあえず一旦落ち着いて、まず仕事を辞めよう。
株に集中しすぎるあまり仕事を辞めるという行動もサボっていた。
平日夕方の出勤と土日の営業活動と18万円の基本給という相変わらずのぬるま湯職場環境に浸かっていた。